コラム

第15回 『平胃散』について

こんにちは、ヒロマリです☀
梅雨直前の晴れ間にコラムを書いています。緊急事態宣言も全国的に解除され、少しずつですが日常が戻ってきていることを感じます。とはいえ、以前のような生活に完全に戻ることは、まだまだ先になりそうですが、第2波にも注意しつつ毎日を楽しみたいですね❣

さて、今月のコラムは梅雨に入ると注意したい“湿邪”による症状を取り除いてくれる『平胃散(へいいさん)』について中医学の観点からお話ししたいと思います♪

人体が“湿邪”に犯されると脾胃の機能が損傷され、お腹が張ったり、食欲がなくなったり、味が感じられなくなったり、吐き気、ひどくなると嘔吐、呑酸(胸やけや酸っぱいゲップ)、手足が重くてだるい、下痢傾向になったりします。舌苔は白膩厚(白く厚く細かくて拭いてもぬぐっても落ちない)、脈は緩(一呼吸に4回=1分間に72~80回:健常な人の脈、緩慢に来たり去ったりする)です。

中医学や漢方でも診断に使われる舌診や脈診については別の機会にお話ししたいと思います。

『平胃散』は湿を取り除き、気を巡らせることにより、“湿邪”によって弱くなった脾の運化機能(飲食物の消化吸収と水液を体中に巡らせる)を回復させ、また胃の機能(飲食物を受け入れ、初歩的な消化を行い、小腸に送る)を健やかにし、上述した症状を改善してくれます。

“湿邪”については昨年6月『梅雨は脾』のコラムに書いてありますので、良かったら復習がてら見直してみてください(^_-)-☆

以前、ヒロマリの友人に『平胃散』をお薦めしたことがあります。長野県出身の友人は、海沿いの街に引っ越した際、梅雨時期でなくても湿度が高いこと、体が重くだるい、みぞおちから腹部にかけての張り、やや下痢などの症状を訴えていました。1回服用しただけでも効果が感じられたと言っていました。海なし県で盆地でもない長野県は、比較的湿度が低いことを実感しました。有名な避暑地がありますよね☆

『平胃散』は対症療法であって体質改善ではないので、“湿邪”を体にため込まないことが必要です。食べ過ぎないように気を付けたり、特に冷たいものばかり食べないように、適度に軽い運動をして、湯船につかって体の巡りをよくしたりしましょう♪

では、今月はこの辺りで失礼します!また来月お目にかかれますように~


 <コラム記事 一覧>
 ・2022.02.03 第35回 『小豆』
 ・2022.01.04 第34回 『七草粥』
2021.12.06 第33回 『アンチエイジング』
2021.11.08 第32回 『柿』
2021.10.08 第31回 『防風通聖散』
2021.09.06 第30回 『ドーピング』
2021.08.18 第29回 『藿香正気散』
2021.07.19 第28回 『ドーピング』
2021.06.15 第27回 『藿香正気散』
2021.05.01 第26回 『新型コロナウィルス』
2021.04.01 第25回 『こむら返り』
2021.03.01 第24回 『桃』
2021.02.01 第23回 『節分』
2021.07.19 第28回 『ドーピング』
2021.06.15 第27回 『藿香正気散』
2021.05.01 第26回 『新型コロナウィルス』
2021.04.01 第25回 『こむら返り』
2021.03.01 第24回 『桃』
2021.02.01 第23回 『節分』
2021.01.06 第22回 『食べ過ぎ』
2020.12.09 第21回 『お屠蘇』について
2020.11.01 第20回 『舌診』について
2020.10.01 第19回 『瓊玉膏』について
2020.08.26 第18回 『瓊玉膏』について
2020.08.10 第17回 『脈診その2』について
2020.07.01 第16回 『脈診その1』について
2020.06.12 第15回 『平胃散』について
2020.05.11 第14回 『婦人科3大処方』について
2020.04.14 第13回 『八味地黄丸』について
2020.03.29 第12回 『花粉症』について
2020.02.25 第11回 『温活』について
2020.01.17 第10回 『補益剤』について
2019.12.08 第9回 『麻黄湯』について
2019.11.07 第8回 冬は『腎』
2019.10.18 第7回 秋は『肺』
2019.09.17 第6回 『気』『血』『津液』について
2019.08.06 第5回 夏は『心』
2019.07.02 第4回 陰陽五行について
2019.06.02 第3回 梅雨時は『脾』
2019.05.04 第2回 中医学の基本の考え方について
2019.04.30 第1回 春は『肝』

Copyright(C) Since 2018 Next Unique 株式会社; All Right Reserved.