コラム
こんにちは、ヒロマリです(^^)
寒い冬が終わって、やっと春がやってきましたね♪
コロナウィルスのワクチン接種も始まって一日も早く収束して欲しいと思う今日この頃です。
さて、今月はタイトル通り『こむら返り』について中医学の観点からお話ししたいと思います。
『こむら返り』、一度は経験した人も多いのではないでしょうか?
痛いですよね~(*_*)
前触れもなくやってきますし、寝ている間に起こることが多いです。
その原因は、運動のし過ぎなどによる筋肉の疲労、冷えや血流不足、ミネラルの不足(主にカリウム、マグネシウム、カルシウム)などと言われています。
中医学では、『こむら返り』の原因は“肝”にあると考えます。
五行学説では“筋“は肝に属し(*)、肝の血液が充分であれば筋を養え、筋の運動も力強く、関節も円滑になります。つまり、筋の痙攣は肝の陰血不足から生じると考えます。(*)五行説について詳しくはこちら
また肝には全身の気の流れを調節し、血液と津液(胃液・腸液・鼻水・涙などの体液)の運行を推し進めることに重要な作用を持ちます。このため、肝の気の流れが失調すると血液の運行が滞り、気の流れが悪くなり局所的に痛みが生じます。
『こむら返り』に効果があって臨床でよく処方されるのは「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」です。
「芍薬甘草湯」は芍薬と甘草の2つの中薬から構成されます。シンプルです💡
芍薬には白芍(はくしゃく)と赤芍(せきしゃく)とありますが、「芍薬甘草湯」では白芍が使用されます。普通、芍薬といったら白芍のことです。
白芍は根の皮を剥いたもので補血薬、赤芍は皮を残したままで清熱凉血薬と同じ植物、同じ部位でも少しの違いで効果が変わってきます。植物も奥が深いですよね~(^^)
芍薬は血を養う作用と肝の気の流れを調える作用により、甘草は気を補う作用と痛みを緩和する作用により鎮痛・鎮痙の効果を現します。
個人差はありますが効き目が早く、毎日飲むというよりは頓用で服用することが多いです。
また、こむら返りの予防として「疎経活血湯」が使われることもあります。
なお、個人の体調や症状によってその時に最適な処方は変わりますので、自己判断で服用せず、かかりつけの医師や薬剤師などに一度相談してみましょう♪
今月も最後までお読みいただきありがとうございます♡また来月お目にかかれますように♪
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