コラム

第16回 『脈診その1』について

こんにちは、ヒロマリです(^^)

今回は『脈診』についてお話ししたいと思います。
読んで字のごとく、「脈を診る」ですね!

中国や韓国の歴史ドラマでときどき出てきますので、見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。中医学を勉強してから、そういったドラマを見るとさらに面白いですし、勉強にもなります。

それでは詳しく『脈診』についてみていきましょう♪
昨年5月のコラム「中医学の基本」にも少し触れていますが、中医学診断の四診(望・聞・問・切)の切診の一つが『脈診』です。

『脈診』は脈の部位・数・形態・勢いから28種の“脈象”に分けられ、身体の内部の病変を察知することができます。

『脈診』の臨床意義は、以下の通りです。
①疾病の部位(表にあるか裏にあるか)を判断する。
 *表は病邪が経絡の肌表の部位にある、裏は深く臓腑や気血などに入る。
②疾病の性質(寒証か熱証か)を判断する。
③疾病の邪正の盛衰(虚証か実証か)を判断する。
*虚証は正気が不足、実証は邪気が盛ん。
④疾病の進退と予後を推測する。

といっても脈と病の関係は非常に複雑なので、『脈診』だけで診断することはできないですし、診断を裏付ける方法の一つと考えることが大事です。

では、どうして『脈診』で上記のことが分かるのか?と疑問に思われた方もいらっしゃると思います。ここからそれについて中医学の観点から述べたいと思います。

繰り返しになりますが、『脈診』は脈の部位・数・形態・勢いから“脈象“を診ます。この”脈象“は臓腑(心、肺、脾胃、肝、腎)・気血と密接に関係があります。その関係性について細かく見ていきましょう♪

・心は血脈を主る:心臓の拍動により血液が血管内を巡る。
・肺は百脈を集める:全身を巡る血脈はみな肺に集まる。
肺は気を主る:肺気により血液を全身に送る。
・脾胃は気血生化の源:脾の運化作用により飲食物を消化吸収し気血を生成。
 脾は統血を主る:血液を脈中循環させ、外にこぼれないようにしている。
・肝は血を蔵し、疏泄を主る:血液を貯え循環している血液の量を調節する。
・腎は精を蔵し、精は気に化す:人体の陽気の根本、各臓腑の機能活動の原動力。
・精は血を化生することができ、血液を生じる物質的な基礎の一つ。

つまり、臓腑・気血に病変があると血脈の運行に必ず影響を受け、”脈象“に変化が現れます。これにより、脈を診ると健康なのか、身体のどこに病変があるのかなどを理解することができます。

有名な韓国ドラマ“チャングムの誓い”では、主人公が医術を学ぶ場面でも『脈診』が出てきます。医術を習いだして日が浅いにも関わらず、主人公のチャングムは『脈診』をして的確に“脈象”を捉え、病名を診断していました。持って生まれた才能、羨ましいですね~。ヒロマリも修業を積んで少しでも近づきたいと思います。皆さんも一度、自分やご家族の体で脈をとってみましょう♪

ちなみに、脈診の方法と28種の脈象については次回お話ししたいと思います。今回も最後までお読みいただきありがとうございます💛


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